2008年2月号

◆平成19年度・全日本剣道道場連盟作文コンクール全国大会・準優勝!

 小学校6年生 生嶌千菜美

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平成19年度の全日本剣道道場連盟作文コンクールにおいて、奈良県大会優勝、近畿大会優勝に引き続き、近畿代表として全国大会に臨み、準優勝しました。
これを記念し、 以下に受賞した作文を掲載します。

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一本から学ぶこと
奈良尚武館 六年 生嶌千菜美

 「メーン」
 剣道は、この一本でたくさん学ぶことがあります。「一本」を取るための稽古で、どれだけの友達や先輩、そして先生まで打たせてもらっているのでしょうか。他のスポーツとはちがい、相手を打って、打って強くなる剣道だからこそ、「感謝する」ということを、学べるのだと思います。先生や先輩は、背の低い子に対してかがんで同じ目線になり、打たせてくれます。また、小手の練習では、「ここを 打ちなさい」と右腕をわざと出してくれます。そして、いつも稽古の最後に行う先生とのかかり稽古では、子供がしごかれているように見えても、打たせてばかりでしんどいのは先生も同じです。そして稽古が終わると先生の右腕は真っ赤に腫れ上がり、冷たいおしぼりで冷やしておられたことがあります。自分が試合で取る「一本」は、みんながいるから取れるのです。だから私にとって「感謝する」ということは別に難しいことではなく、どんな小さなことでも、相手に対して、素直に「ありがとう」という気持ちを持つことなので、これは剣道だけじゃなく、学校生活や日常生活でもいえることだと思います。
 また、剣道でもう一つ学べることがあります。それは「助け合い」です。私は剣道をするずっと前からピアノを習っています。でもピアノは剣道とはちがって一人で鍵盤に向かって練習し、本番のコンサートやコンクール、演奏会など、すべて一人でのりきらなくてはいけません。けれど剣道は、一人ではなく、ともに汗を流して稽古をする仲間がいます。団体戦では、勝った時はともに喜び、負けた時はともにくやし涙を流し、また、
 「次こそは、頑張るぞ」
 「ファイト、ファイト」
とおたがいはげまし合えます。そんな仲間がいることを今はとてもうれしく思い、私が頑張れる力となっていることもあります。又、ピアノで大きな音を出すことはできても、大きな声を出す機会などなかった私は、剣道を始めた頃によく「声が小さい」「声を出せ」と言われていました。
  実は、私は小さい頃から大きな病気をして入退院をし、小学校に入ってから入院した時は一度、「院内学級へ転校を考えましょうか」と言われたこともあったくらいです。その頃は、かげで支えてくれていた両親や祖父母にとても心配をかけていたと思います。でも剣道は、体が弱かった私に体力だけではなく、夢や自信まであたえてくれたのです。今では、病気も定期的に検査に行くだけでよくなり、最近では稽古でも、学校でも大きな声も出るようになりました。 するとお母さんに、
 「大きな声を出したら気持ちいいでしょう。おなかから声をたくさん出したから、きっと病気も体から出ていってくれたんだね。だからいやなことがある時は、もっともっと大きな声を出したら、すっきりすると思うよ。」
と言われました。
 私はそれを聞いて、今ニュースで大きく取り上げられているいじめの問題でも、みんなも剣道のように、大きな声を出すスポーツをすれば、ストレスのある子は、大声を出すことで気分を切り換えられるし、いじめられている子は、心身ともにきたえられて、いじめがもっと減るのではないかなあと思いました。そして、「感謝の気持ち」と「助け合いの心」をみんなが持てば、日本でも、世界でも争いごとがなくなるはずです。
 そんな大切なことを教えてくれた剣道を、これからもいろいろなことに活かせるように、頑張って
いきたいです。そしてこれから先、何度「一本」を取っても、お仕事が忙しい中、教えに来て下さる先生に、そして試合の準備や送りむかえしてくれる両親に「感謝の心」を忘れずにいたいと思います。