◆2005年4月1日、奈良尚武館は特定非営利活動法人(NPO法人)になりました!

 
文部科学省が平成12年9月にスポーツ振興基本計画を発表し、
 ☆ 生涯スポーツ社会の実現
 ☆ その目標として、できるだけ早期に「成人の週1回以上のスポーツ実施率が2人に1人と
   なることをめざす」
という目標を掲げました。そして、これらを実現するための具体的な施策展開として、平成22年までの10年間で、全国の各市町村に少なくとも一つは総合型地域スポーツクラブを育成すること、さらに総合型地域スポーツクラブの創設や運営・活動を支援する広域スポーツセンターを各都道府県に少なくとも一つは育成するとしています。
 
 この政策の大きな理由は@子供の体力の低下が顕著である。A一般社会人や中高年のスポーツをする機会が低下している(週に1回以上スポーツを実施する人は37%である)。という2点が重要なポイントです。
 
 「総合型地域スポーツクラブ」は、スポーツを楽しむことのできる社会を実現するために、その地域に住む人々が主役となって、自ら運営管理をする新しいタイプのスポーツクラブシステムです。色々な種目を様々な人達が、その興味・関心や競技レベルを問ず、それぞれのスタイルで楽しむことができます。このクラブには地域スポーツ振興の他に、住民の生涯学習の場や地域のコミュニティをつくる役割も担います。当道場は幼稚園児から70歳以上の高齢者まで多世代に亘る集合体であり、クラブハウスとして利用の可能性がある旧西部公民館を利用しているという条件により、剣道を中心とした総合型スポーツクラブを目指すこととなりました。
 
 奈良尚武館は、「なら総合型地域スポーツクラブ支援センター」、及び体育協会の各先生方のご助言のもと、総合型スポーツクラブとして生まれ変わりました。活動に係る各種契約関係などをスムースに進めるために特定非営利法人格も取得し、子供から一般社会人まで含め約140名の登録会員にて活動を進めています。
 
 
◆道場の沿革

尚武館は奈良市西部公民館がオープンした昭和47年(1971年)の9月に誕生しました。
 
名前の由来は「尚武の精神」「尚武の気風」といった言葉にあるように武道・軍事などを大切なものと考えることという「尚武」と、近隣にある菖蒲池(あやめいけ)の菖蒲という文字が「しょうぶ」と読める事にちなんでつけられました。全国に数多く「尚武館」という名称の道場があるのは尚武の意味によるものと思われますが、混乱を来たさない様、県外試合では「奈良尚武館」という名称で活動しております。
 
初代会長は当時奈良市長をしておられた鍵田忠三郎先生で、奈良県剣道連盟会長や衆議院議員も努められました。鍵田先生は奈良市が柳生新陰流や宝蔵院流鎌槍等、武道の発祥の地であることを重んじ、尚武館のみならず、多くの道場、武道の奨励や復興に汗を流されました。平成6年10月26日、鍵田先生は73歳で他界されました。
 
実際の稽古は佐久間重和先生が道場長として運営され、平成11年6月22日に91歳で他界されるまでの28年もの永きに亘り熱心にご指導されました。85歳までは毎稽古で防具をつけ、若い人を相手に稽古をつけて下さいました。
 
昭和60年10月、現道場長の天野秀治が東京勤務より関西に配転を機に指導を始め、平成5年に道場長を譲り受け現在に至ります。
 
平成8年からは積極的に県外の試合や全国大会に出場する様になり、現在では年間の大半の休日が剣道行事で埋まる様なスケジュールになってきました。少子化の影響もあり、近年は小学生の練習生数は減少傾向にありますが、反面70歳を超えるご老人の方を含め社会人の会員が増加しております。

平成13年7月14日、奈良市西部公民館の廃館と同時に新設された奈良市西部会館6Fの大体育館に場所を移しました。この移転に関しましては横井健二先生、前会長のご子息(前奈良市長・宝蔵院槍術第20代宗家)の鍵田忠兵衛先生のご努力をはじめ、当時の奈良市長であった大川様のご英断により社会体育事業へのご理解を頂き新体育館をお借りして稽古をすることとなりました。

平成16年8月、元々稽古していた旧西部公民館の有効利用の為再び元の場所に戻りましたが、平成17年9月13日より旧西部公民館閉鎖の為、近隣の「富雄中学校体育館」(使用できないときは青和小学校体育館)にて稽古しています。


剣道の道場としてはまだまだ駆け出しではございますが、どこかの会場で出会う事がございましたら供に稽古をして頂きたく宜しくお願いいたします。  
 

奈良尚武館 道場長 天野秀治
(参考文献 鍵田忠三郎翁伝 1996年)

天野秀治 (あまのしゅうじ 剣道教士七段 昭和37年3月生 会社経営
 奈良市議会議員 ・社会教育委員・NPO法人なら学園前スポーツクラブ(理事長)
 奈良尚武館(道場長)・奈良県剣道連盟会員・奈良県道場連盟(理事)
 奈良市剣道連盟(理事)・立命館大学体育会剣道部若竹会(事務局次長)
 関西学生及び全日本学生登録審判員・京滋学生剣道連盟(2004年まで理事)
 社会体育指導員(全剣連・文部省公認) ・スポーツ少年団認定指導員